大手電子部品メーカーA社は、自社のソフトウェア開発を見直したところ、出荷基準の策定や開発プロセスの改善を行う必要性を実感。コンサルティングと同時にエンジニア育成講座の開講をクワンタムソリューションに依頼しました。さらに、開発中のソフトウェアのプログラムについて、現状分析と問題点の改善を実施することにしました。
これまでクワンタムソリューションでは電子部品メーカーA社に対して、出荷基準の策定やエンジニア育成講座の実施といったサービスを提供してきました。一方で、上流設計への支援として開発中のソフトウェアの分析も行いました。
A社ではチップ上にCPUなどを自動で配置する装置のプロトタイプ(マッピングプログラム)をC言語で開発していましたが、そのソフトウェアメンテナンスをフィリピンのオフショア企業に委託することになりました。そこで、ソフトウェアのプログラムを海外のエンジニアが見ても理解できるように、シンプルなものに構造改革する必要があったからです。
クワンタムソリューションではまず、独自の分析ツール「Job’s Sonar」を使って現状のソフトウェアを分析。リファクタリング(ソースコード改善)するか、もしくは新規設計するかを検討し、今後のメンテナンスのしやすさなどを考慮して新規設計することをA社に提案しました。
アルゴリズムを全て変えてコンパクトなソフトウェアとして作り直すために設計方針を策定しました。独自の開発手法「SORA」を用いてソフトウェアの構造化分析を行い、データリレーション図やデータ辞書を作成。またC++言語で開発するためのクラス図や、モジュール基本構成図を設計しました。
今回のソフトウェア分析や新規構造開発に対してA社担当者からは、「非常にわかりやすいソースコードになった」との声が聞かれました。今後A社では、ソフトウェア出荷基準の要求項目をさらに増やすほか、エンジニア教育の充実として「システム要求仕様書作成講座」「DFD実践講座の全社展開」「C言語実践講座の見受講者への講習」などを検討しています。